「七草粥」って食べたことがありますか?
私は青臭そうで、出来ることなら食べたくないですね。
なんて冒頭からナーバスなことを言ってはいけませんよね。
だからこそ、「七草粥」を食べる理由を知りたくなりました。
私には苦手でも、毎年1月7日にニュースや、ちまたで話題になっているのが七草粥ですよね。
あんなに青臭そうなのに多くの人が食べているなんて信じられませんが、あく抜きすれば美味しく食べられるというので、試してみたくなりました。
毎年、
「めでたい物なら何としても挑戦しなければ」
と、スーパーで七草の前では立ち止まるのですが…
どうして、七草粥を食べることになったのか気になりませんか?
春の七草とは?
①セリ
②ナズナ
③ゴギョウ
④ハコベラ
⑤ホトケノザ
⑥スズナ
⑦スズシロ
食材としては馴染みのないものが多いですよね。
昔の人は真冬に七草を「どこで採っていたのかな?」と疑問に思いませんか。
実は、春の七草が生える時期は2月の初め頃なんですよ。
昔の人は、昔の暦で2月上旬に食べていたそうです。
では、なぜ今は七草粥を1月7日に食べるのでしょうか?
日本で太陽暦が使われるようになったのが明治時代です。
新しい暦を「新暦」古い暦を「旧暦」と呼びます。
新暦ではおよそ1ヶ月季節が早くなり時期がずれてきたそうです。
どうして七草粥を食べるの?七草粥に込められた意味とは!?
現在ではお正月のご馳走の後に、胃を休めるため七草粥を食べる、という意味で広く知られていますが、昔の人は違っていたようです。
今ではいつでも青物が簡単に入手できますが、昔は七草粥は冬に不足しがちなビタミンを
補う貴重な料理だったようです。
旬の生き生きとした植物の七草をお粥にして食べれば、自然界からパワー(生命力)がもらえ、
無病息災で長生きができるとされていました。
山で菜を摘み、神様の前で七草ばやしを唄いながらすりこぎで叩くと、七草の力を最大限に
出せると考えられていました。
豆知識
春の七草があるように四季折々に七草があります。
「夏の七草」 戦時中の食糧難にも食べられる植物として7種類を選んだものです。
「秋の七草」 食べたりするものではなく鑑賞するためのものです。
「冬の七草」 明確なものはないとされています。植物ではありませんが野菜に例えたものになっています。
七草粥を食べる日は人日の節句の日だった!大切な行事食を味わおう!
「人日・じんじつ」とは?
五節句の1番目の節句で1月7日のことをいいます。
平安時代に中国の年中行事である「人日」(人を殺さない日)に作られる「七種菜羹・ななしゅさいのかん(7種類の菜が入った吸い物)」の影響をうけ、日本では「七草粥」が食べられるようになったそうです。
江戸時代には幕府が公式行事として「人日」を祝日にしたことで、「七草粥」を食べる日とした風習が一般にも広まったそうです。
豆知識
五節句は江戸幕府が決めたもので、明治時代に暦を変えることに伴って廃止されましたが、
風習は民間に引き継がれてきて今に至っています。
「人日(じんじつ)の節句」1月7日
中国「人を殺さない日」
日本「人を大切にする節句」
中国と日本の風習が結びついたものだそうです。
「上巳(じょうし)の節句」3月3日
平安時代のみそぎの行事で紙人形を身代わりにし、川に流し厄を払っていました。
「端午(たんご)の節句」5月5日
「菖蒲(しょうぶ)の節句」武士の間で「菖蒲」と「尚武」(武道)をかけて立身出世を願っていた。
「七夕(しちせき)の節句」7月7日
「七夕(たなばた)の節句」裁縫や習字の上達を短冊に願う風習です。
「重陽(ちょうよう)の節句」9月9日
「菊の節句」秋の収穫を祝う日、お酒に菊を浮かべて呑み、長寿と健康を祈りました。
なぜ日本ではこんなに風習が多くあるのでしょうか?
昔の人は厳しい環境を生き抜くために、自然を愛し、神仏を崇拝し、生活の様々な場面で恵みを願ったり、感謝したりする風習をつくってきたのではないでしょうか。
また、神や仏に祈る場所をコミュニケーションの場としていたのでしょうね。
行事食とは?
四季折々に旬の食材を取り入れた、特徴がある行事のときの料理です。
日本料理のルーツになっているようです。
風習、行事には神仏に「お供え」をすることが多いですよね。
その神仏に供えた「お供え」を取り下げたものを頂いていて、食糧事情が悪い時代には、行事食としてご馳走を食べられる日だったのではないでしょうか。
ひとつひとつの行事食には深い思いが込められていて、大切に味わって食べることが礼儀
なのでしょうね。
まとめ
昔の人にとって「七草粥」は、厳しい冬が過ぎ、春の恵みを頂き無病息災を祈った、貴重な料理だったのですね。
厳しい環境にあっても「人日の日」1月7日を、「人を大切にする日」と決められたことはとても素敵なことだと思いませんか。
多くの人に知ってもらいたいですね。